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温井和佳奈

そしてフランスへ「ひとりで行く新婚旅行」(起業12)

オタクと私の盛大な結婚式は無事に終わった。
結婚式前にゲームに二人でハマって、
新婚旅行のことを考えるのをすっかり忘れていた。

すると先日仕事をご一緒した有名俳優から
連絡があった。

「今度、フランスに行くツアーやるんだけど
旦那さんと一緒においでよ」
内容を聞いてみると、ワクワクした。
「ぜひ新婚旅行にしたいです。彼に聞いてみますね」

そして家に帰り私はオタクに聞いた。
「新婚旅行はフランスにしない?」
「え?温泉とかに2泊ぐらいとかは?」
「新婚旅行だよ」
「わかってるよ」
「私は海外がいい」
「長い移動は無理だよー。パソコンに繋がってないと」

オタクは24時間パソコンとつながっていたいらしい。
私はひらめいた。

「じゃぁ、温泉も行こう。
だけど、新婚旅行はフランス。
大丈夫、私が一人で行ってきてあげる」

オタクは、つぶらな瞳で私を見ている。

「一人で行くの?」
「うん、でも魂は一緒だからね」

オタクは、意味がよくわからないらしい。
しかし、ダメとは言わなかった。

早速、私はフランス行きに申し込んだ。
有名俳優は
「え?一人?新婚旅行だよね?」
「はい、一人新婚旅行なんです」
「えぇ?もしかして新婚早々に喧嘩したの?」
「してませんよ。仲良しです」
有名俳優は、キョトンとしている(笑)

仕事も忙しくなって、瞬く間に出発日がきた。
「たくさんのお土産話しと、お土産買ってくるね」
と、オタクに言い残し、私はフランスへと
旅立った。

飛行機の中で、円満に新婚旅行に一人で行くのは、
世の中に私くらいかもしれないなーと思いつつ
この瞬間もパソコンと向き合っているオタクを思った。

やりたいことを我慢しない関係がいい。
結婚したら常に一緒にいるとか、
新婚旅行は二人で行くとか、
固定概念で考えすぎると窮屈になる。
いや、普通はならないか(笑)

●わかな語録:常識はずれれな望みも、まずは相手に聞いてみよう。

◆ 最初から読みたい方はこちら:起業前1話:私たちバブル組
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