「僕が和佳奈なら、色目をうまく使って仕事とるね。
気のある振りして、どんどん仕事を取ればいいんだよ」
売上が上がらないなら、女を使えとオタクの彼が言う。
色気を振りまく女性経営者や
色目を使ったり、媚びたりする働く女子が
私は、生理的に苦手だった。
しかし「オタク」は、私に色気を使えという。
確かに、その戦法は若いうちにしか使えない。
ならば、毛嫌いしていないでやってみるか。
やってみると意外にうまくいった(笑)
連日、夜の私のスケジュールは
様々な男性経営者との約束で埋まった。
すると、今度はオタクが不機嫌になり
毎日、ヤイノヤイノ言うようになった。
オタクのアイディアを実行しただけだよね?
私にもストレスが溜まっていく。
ある晩、あまりにもヤイノヤイノいうので、
私は「オタク」に強めの口調で言った。
「そんなに心配なら、ずっと一緒にいる?」
するとオタクは驚いた顔をして、私を見た。
ーー 沈黙が流れる。
私が言った嫌味にムカついたのだろうか。。
オタクは、つぶらな瞳でじっと私を見つめている。
しばらくすると、オタクは頬をピンクにして
なんとも可愛らしく、コックリとうなずいた。
どうやら、これがプロポーズになって
しまったらしい。
●わかな語録:言動と行動が一致しないのが当たり前、人間だもの。
◆ 最初から読みたい方はこちら:起業前1話:私たちバブル組
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