高校時代のビリギャル赤点成績がこんなに後になって影響してくるとは思わなかった。しかしトータルでこのコミュニティカレッジで2年通い、微分積分など単位数の多い教科を取りまくりオールAをとれば、ニューヨーク大学、ボストン大学、カルフォルニア大学あたりが圏内に入ってくる。
こんなに今、勉強して母国語ではない言葉でオールAを目指すのだったら、高校時代の成績さえ良ければ、ハーバード、スタンフォードなどのアイビーリーグも目指せたかもしれない。しかし、もう遅い。
ちなみにハーバード大学は一芸に秀でていると入れるということをクラスメートのアフリカ系留学生が実証した。僕は誰よりもダンスをうまく踊れますと言い、ダンスが認められてハーバード大学入学が決まったという。
私は剣道三段なので、「キェッーーーー」と気合だして素振りでもしたらどうだろうかと思ったが、それより確実なところで私は、的をボストン大学とニューヨーク大学に絞った。高校時代の成績さえなければ、余裕だったが、この二つも少々高嶺の花である。
色々と調べた結果、私の秘策はこう。
例えばボストン大学の国際関係学部は、全米でもトップクラスなので、私が最初から国際関係学先行でボストン大学にアプライしたとしても入れる可能性は極めて低い。しかし、ボストン大学で一番人気のない学部、心理学専攻ならば入れる確率は数倍上がる。
私はそれにかけることにした。ボストン大学は心理学専攻、NYUは経済学専攻してこちらは最初から入れればラッキーなくらい。本命はボストン大学。そしてもし正式に入学できれば、転部は実は簡単にできるという。
つまり私の秘策は、心理学専攻でまずはボストン大学に入学する、そしてその後は、人気の国際関係学に転部する、と決めた。実は心理学専攻にも興味があったが、途上国に興味があったので、途上国支援に繋がるポジションに行くには、国際関係学部は良いチョイスだと思った。
さて、ここで難関は英文エッセイ。これは秀才くんたちに手伝ってもらっても、彼らはトランスファーの実績はない。そこで、私は誰に相談をしに行くかを決めた。
大学で最も権威があり、最もたくさんのケースを見ている人、それは大学の学長である。私は証券会社で散々鍛えられた飛び込み営業を思い出し、学長の部屋に飛び込みで行くことにした。
こう書いてしまうと、私はすごく挑戦が好きで外交的と思う人も多いかもしれないが、私はかなりの内気さんで、小学校の時は口が聞けず、普通学級から特殊学級へ行くことを勧められたくらいの口が聞けない性格だった。だからドキドキしたが、学長の部屋のドアをノックした。
●わかな語録:正面から行ってダメなら「秘策」を練ろう